Hosai Arina Essay Course 2005

　　　初めての出産　　（かるん）

今年私は初めて出産という経験をしました。
出産とはどういうものだろうという不安と、早く産まれてこないかな、という期待感の中で予定日より二週間も早く我が子は産まれてきました。

夜に入院したのですが、陣痛が始まっても「まだまだバリバリと痛くならないと産まれないよ」というのが看護婦さんに掛けられる言葉で、もうこんなに痛いのだから早く産み終えたい・・・というのが私の本音でした。
何ともいいようのない陣痛の痛みに耐えながら、私は主人の心配そうな顔を横目で見ていました。

陣痛が弱かったので、促進剤は使ったものの私は短時間の安産で産み終えました。
看護婦さんの素早い対応に、私はただ従っていました。

我が子の第一声が聞こえた時、私はやっと産まれたんだという安心感と、どこからともなく産まれてきてくれてありがとうという感謝の気持ちが沸き起こってきました。

産まれたばかりの我が子の姿に、いとおしさを感じたことは今でも忘れられません。
無力で小さな身体でしたが、精一杯の力で泣いていました。

それからの数日間は大変でした。
慣れない育児に悪戦苦闘しながら寝不足の日々が続きました。
何もかもが初めての経験なので、どうして泣いているのかさえ検討がつきませんでした。
お腹が空いているのか、オムツを換えて欲しいのかただ機嫌が悪いのか・・・。
今では当時のことはとても懐かしい思い出です。

私にとって出産とは、とても神秘的で貴重な経験でした。
出産を通して母親になり、得たこともとても多く、私を選んで産まれてきた我が子にはただひたすら感謝しています。

（かるん）

【作品整理番号】　３５００６０１
【ペンネーム】:　かるん　
【課題】:第１回目の課題　「自由課題」
【題名】:初めての出産

宝彩有菜のコメント

(home)