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 chapter (09) 
「インナーパワーを呼び起こす方法」(宝彩有菜)

色々辛いことがあったり、悲しいことがあっても、自分は誰かにしっかり愛されていると言う思いがあれば、どんな困難にも立ち向かって力強く生きていけそうです。

それは、例えば、子供のとき外で遊んでいて、転んで膝小僧を怪我して泣きながら家に帰って来ると、お母さんが優しく「大丈夫、大丈夫」と言いながら手当てをしてくれた、そんな思いに似ています。

自分は少々の失敗をしても守られてる、助けてもらえる、大丈夫という思いです。
でも、大きくなると優しいお母さんに、いつまでも頼っているわけにはいきませんし、たとえ良いパートナーが居てもお互いに人間ですから一方的に頼りっぱなしというわけにもいきません。時には自分の方が強くなって相手を守ってあげなければなりません。

どうしたら、自分は強いといつも思えるのか、今回はそれを考えてみましょう。

(愛されていると思うと強くなれる)

自分が強いと思えるのは、誰かに愛されていると感じているときです。人間は一人では弱いのですが、誰かに愛されていると思うと勇気や元気が沸いてきます。力強くなれます。
さて、子供のときは絶対的に守ってくれる人は、お母さんでしたが、大人になるとそうもいきません。

では、大人になると子供のときのような守られているという安心感は獲得しようがなくなるのかというと、そうではありません。大丈夫、上手いやり方があります。

実は、力強くなれる元は、「愛されている」という思いですが、それは、自分がそう思うことがポイントで、現実と違っていても機能します。
例えば、本当はどうか分からなくても、「自分は愛されている」という思いがちゃんとあれば、「自分は大丈夫だ」と思えて、「勇気や元気がでる」仕組みです。
逆に、本当は愛されていても「自分は誰からも愛されていない」と思っていると勇気も元気も出なくなってしまいます。自分の思い方の問題です。

また、「愛されている」と思うとなぜ「強くなれる」のかというと、それは、たとえくじけても失敗しても転んで怪我をしても、そのことを責められたりしないで、受け入れてくれる人がいて、しかも、肉体的な傷も、心の傷もちゃんと癒してもらえるという安心感があるからです。

さらに言えば、最終的に、自分は立ち直れる、再起できる、という「自信」です。

ですから、戦いに強いというより、壊れても修復できるという立ち直り力、めげない力、やり直せる力、回復力などというものが強さの元になっています。
その回復できるという自信があれば、やられてもやられても立ち向かっていける力になるのです。

つまり、強いから勇気があるのではなく、自分の回復力を信じているから、強い相手にも立ち向かって行けるし、未知の人生にも勇気をもって進んでいけるのです。
では、どうやったら、その自信を手に入れることができるのでしょう。

(自信にあふれる方法)

自信を持つには誰かに愛されているという思いが必要だと言いましたが、大人になると子供がお母さんを頼るように簡単にはいきません。
そこで、この愛というものは具体的にはどんなことなのかを考えてみましょう。
それは、ダメージを受けた心身を、そのまま受け入れてくれて、励ましてくれて、癒してくれて、休ませてくれて、回復させてくれることです。

子供のときはそれらが自分ではできませんでした。だから母親の愛が必要だったのです。でも、大人になると、そうする技能や力や能力がだんだんに備わってきます。ですから、自分で自分をそのようにケアすれば良いわけです。
自分で、自分を、受け入れて、励まして、癒して、休ませて、回復させれば良い訳です。
一言でいうと、「自愛」です。自分で自分を慈しみ愛することです。まず、それをやりましょう。

自分に厳しすぎるようなら、なおさらです。自分をいつも叱咤激励して追い詰めているのならなおさらです。

(自分を愛してあげましょう)

自分を、受け入れて、励まして、癒して、休ませて、回復させてあげましょう。それが明日に向けて生きていく強い力になります。そのとき自分の力だけでなく自分の中にもともとある自然治癒力とか、宇宙や愛の力も信じましょう。「大丈夫、大丈夫。あなたの中にその力がありますよ」の力です。

そして、この「自愛」が上手にできるようになったら、他人に対しても「愛」が上手にできるようになります。誰かを愛する、つまり、受け入れて、励まして、癒して、休ませて、回復させることも自然にできるようになるわけです。

自分がいつも大きな愛に溢れていれば、人生を堂々とわたって行けます。
力強くなれます。勇気を持って、自分も人も、助けたり守ったり、いっしょになって戦ったりすることができます。
楽しさと喜びに溢れた人生になります。
そして、気がつけば同じように愛に溢れたパートナーがそばに居たりします。
私たちは愛するためにこの地球にいるからです。

(宝彩有菜)

First-Rev. 雑誌 フィリ Vol.52
Date 2000/7
Main-theme 「宝彩有菜の気楽な生き方教室 Vol.13」
Sub-theme 自分の中にある本当の力を呼び起こすためには
Text Vol. 15w x 145 = 2200
Ref. No. (027)

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