Hosai Arina Essay Course 2005

　　　楽しかったこと　　（有沢　ユウ）

今までの人生を振り返って楽しかったことを探すと、記憶に新しいのは大学の時です。

私が大学に入学したのは３１歳の時でした。
１７歳で病気を患い、障害をもつ身となりました。

高校を卒業したあと大学に進学しようと思い東京へ行ったものの、駅の階段の上り下りがきつくなり進学をあきらめました。
何ヶ所かの大学を受けて、合格したところもありましたが体力的に難しく進学を断念しました。

それからの２０代は暗いトンネルを歩いているようなものでした。
病気を隠していたため、友達とも会わず引きこもり状態でした。

そんなとき知人の理学療法士から福祉の相談業務の仕事なら車椅子でも出来るのではないか、と社会福祉士の資格を取得することを勧められました。
それで３１歳の時、社会人入試で福祉系の大学を受験し大学生となりました。

入学はしたものの、体力的に４年間通い通せるかどうか不安でした。
自宅から大学まで自動車で通い、授業は電動車椅子で受けました。

社会人のクラスで夜間主コースでした。
同じゼミの人たちは福祉関係者や医療関係者が多く、年齢層も幅広く２０代から５０代までいました。
ゼミの人たちはみんな仲がよく、特に昔暴走族だったという男と仲がよくいつも一緒にいました。
頑強な男で、階段のある所に行くと私を背負って階段を登ってくれました。

昼間主の学生は高校を卒業して入学してきた学生で、その昼間の学生たちとも友達ができた。
その人たちと海外研修旅行で大学２年のときはタイへ、３年のときはタイと北欧へ行き楽しい時間を共有できました。
高校を卒業して以来、友達らしい友達がいなかったので大学で友達がたくさんできたのが嬉しかった。

４年間無事で最後まで通い通せました。
人と触れ合うことで生き返った感じがしました。
障害をもってからのこれまでの人生で一番楽しい時期でした。

【作品整理番号】　３５００５０１
【ペンネーム】:　有沢　ユウ　
【課題】:第１回目の課題　「自由課題」
【副題】:楽しかったこと

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